解決事例

2024/03/08解決事例

(解決事例)任意整理(住宅ローン債務)

N総合法律事務所、弁護士の首藤です。

ホームページへの掲載についてご了承をいただいた事件について掲載いたします。

 

ご相談者様らは、生前、ある親族が住宅ローン債務の引受人になっており、その方が死亡した後、かなりの長期間が経過した後、ご相談にいらっしゃいました。その方々は、ある日突然、住宅ローン債権回収業者から連絡があり、ローン残債を支払うことも求められました。その金額は約2800万円でした。内訳は、元金約1000万円、利息約70万円、遅延損害金約1730万円でした。

減額交渉の結果によっては、破産することを了承いただき、債権回収業者と交渉しました。ご依頼者様らと相談の上、私のした提案は、元金約1000万円を一括返済するので、利息や遅延損害金を全額カットすることを求めるものでした。交渉経緯においては、親族の所有不動産に抵当権を付けることを求められたり、不動産の任意売却による返済原資の捻出を求められたり、さらにはご依頼者様らの収支、財産をすべて明らかにするよう求められもしましたが、元金一括返済にこだわり、それらの要求に応じず交渉を続けました。やがて、債権回収業者は、私の提案に対し、遅延損害金のカットには応じるが、元金や利息は減額できないとの回答をしてきました。

その後も何度か私は、利息をカットするよう求めましたが、債権回収業者が応じなかったことや、ご依頼者様らが約1730万円の損害金カットに満足されていたので、最終的に和解することにしました。個人的には、元金の減額にまで切り込めればよかったと思っていたのですが、今回は認めてもらえませんでした。

 

サービサー(債権回収業者)との交渉はこれまで何度も経験してきましたが、ここまでの金額をカットした経験がなかったので、私にとってもいい経験をさせていただいたと思います。住宅購入者がご存命の場合、団信(団体信用生命保険)も適用されないため、住宅ローンは不測の事態が起きたとき、本当に怖いなと思いました。

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