解決事例

2024/03/09解決事例

(解決事例)時効援用

N総合法律事務所、弁護士の首藤です。

ご依頼者様からご了承をいただきました解決事例について記載いたします。

 

ご依頼者様は、数十年借金を放置していました。期間としては、平成の初期ぐらいからです。複数の消費者金融や信販会社から借り入れや立替払いをしていたため、ご依頼された時点では、正確な金額すらわかりませんでした。

そこで、ある債権回収業者から支払いを催促する手紙が届いたため、そこへ受任通知と時効援用通知をともに送ってみました。

すると、借金について時効が完成したのですが、債権回収業者が債権譲渡を受けていたのは、ご依頼者様の予想に反し、3社からでした。

どういうことかというと、ご依頼者様の認識では1社であったところ、ふたを開ければ3社の借金が全て債権回収業者に譲渡されていて、時効援用通知により3社の借金が結果的に消滅した結果になったということです。

信用情報機関のデータをクレカ払いか定額小為替払いで手数料を負担し、申請書を送ることにより自身の情報を取得できますが、債権回収業者に債権が譲渡されてしまうと、信用情報には記載されなくなり、借金の全容を把握できなくなることがあります。なぜなら、債権回収業者は信用情報機関の加盟団体ではないため、その情報を信用情報に掲載しないからです。

債権回収業者に債務総額を確認したところ、300万円を超えていました。借りた当時は少額でも、長い年月の経過により遅延損害金が上乗せされ、自身の認識と大きくかけ離れた金額になっていることがあります。今回はすべて時効援用により消滅しましたが、債権者に対して、支払う意思を口頭で明示したり、利息や損害金を数千円単位でも支払うと、時効の主張ができなくなり、大きく増えた借金を支払い続ける、もしくは破産を選択することになります。

今回は、すべて消滅させることができたので、ご依頼者様も私もホッとしました。時効は待っているだけでは成立せず、時効援用の意思表示を裁判上、裁判外で行うことにより初めて成立(債務消滅)します。ですので、放置しているだけでは対応として不十分になってしまいますので、その点、皆様もお気を付けください。

 

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