解決事例

2023/07/18解決事例

(解決事例)破産・同時廃止

同時廃止での免責許可が確定し、終了した事件についてご紹介いたします。今回も記事公開につき依頼者の了承を得ております。

 

依頼者は、交際相手と遠距離恋愛をしており、毎週末、新幹線などの交通手段を使って会いに行っていました。

ところが、一度にかかる交通費が高額であったため、次第に消費者金融やクレジットカード会社のキャッシング枠を利用するようになりました。

また、交際のための食事代、遊興費も借り入れで賄うようになっていきました。このような生活が続いた結果、借入金総額は200万円以上になっていました。

依頼者には、任意整理(消費者金融等と交渉して分割払いの合意をすること)をまず提案しましたが、本人の希望により破産手続を選択することになりました。

破産申立て後の裁判官との面接(即日面接)では、債務総額が比較的少額であることや交際費用という特殊性を考慮していただけたのか、同時廃止として事件処理するとの判断がなされました。正直なところ、交際費用とはいえ過大な金額を交通費等に費やしていましたから、免責不許可事由の「浪費」があったとして調査管財(破産者の状況を調査するために管財人を付けること)になってもおかしくないなと考えていました。その後は特段支障もなく免責審尋を行い、免責許可が出て確定しました。

 

基本的に破産手続は管財手続が原則で、同時廃止は例外に過ぎません。処分できるめぼしい財産がなく、金銭の流れや使い方に問題がなく破産管財人による換価処分や調査の必要がないと判断された場合に限って同時廃止になります。特に東京地裁は、さいたま地裁や横浜地裁と比べて管財と同時廃止の振り分けがシビアといわれています。東京で事務所を構える以上、仕方がないところはあるものの、管財事件にしても仕方がないのに…という事件も容赦なく管財事件とされることもあり、もやもやすることがあります。

私自身のもやもやはどうでもいいのですが、管財事件になると引継予納金として20万円を破産者が破産管財人に支払わなければなりません。この負担が破産者にとってものすごく重いことから、できれば同時廃止事件になってほしいと思いながら申立てすることがあります。(同時廃止手続の望みが薄い事件は、最初から管財手続を希望すると記載して申立てをしています。なんでもかんでも同時廃止事件希望で申立てしているわけではありません。)

破産手続が終わった後、気持ちが明るくなった依頼者と話をするときはやはり嬉しいです。それまでが大変なのですが。

今回は、同時廃止手続となった事件のご紹介でした。

 

 

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