社会福祉協議会の実施する生活福祉資金の特例給付について
社会福祉協議会の社会福祉貸付制度(総合支援資金、緊急小口資金など)
社会福祉協議会の社会福祉貸付制度(総合支援資金、緊急小口資金など)に関するご説明です。
緊急小口資金とは、新型コロナウィルス感染症の影響により休業、仕事が減少したことで収入が減少した世帯に、緊急かつ一時的な生計維持のための生活費を貸し付ける制度です。貸付上限額は20万円とされています。また、総合支援資金とは、新型コロナウィルス感染症の影響により失業、仕事が減少したことで収入が減少し、その収入減少が長期にわたることにより日常生活が困難な世帯に、生活の立て直しまでの一定期間(3ヶ月)の生活費を貸し付ける制度です。一月あたり、単身世帯は15万円、2人以上世帯は20万円程度の貸付上限額とされています(厚生労働省ホームページ参照)。
これらの貸付を受けた方々が、貸付を受けた後、返済が困難となり債務整理を行う場合、どのような手段をとることができるのか問題になりますが、弁護士が介入する解決手段としては、自己破産と個人再生が選択できます。交渉により分割回数を増やす任意整理は困難です。東京都社会福祉協議会に問い合わせたところ、裁判所の関与しない任意の紛争解決手段である任意整理には応じない方針を採っているとの回答を受けました。そのため、社会福祉貸付制度による貸付を受けており、他にも複数の消費者金融や信販会社から貸付を受けている方は、任意整理を弁護士に依頼する場合、社会福祉協議会からの貸付を除いた債務を依頼するか、自己破産、個人再生を依頼するかという選択をすることになります。
ただ、貸付を受けている方が、社会福祉協議会に返済が困難であるとして個別に相談することは可能であるため、弁護士に消費者金融等への任意整理を依頼しつつ、ご自身で社会福祉協議会へ相談し、返済期間の猶予、償還免除などを交渉、申請する余地はあるでしょう。
※2024年2月20日追記
現在、社会福祉協議会は弁護士との任意整理の交渉に応じているようです。担当者に確認しました。弁護士が介入した場合、数年単位の分割返済の交渉が可能であるのに対し、本人が直接交渉する場合、1年単位で返済に関する話し合いに応じているそうです。もちろん、実際の交渉により回数や毎月の支払金額は人ごとに異なります。