解決事例

2026/02/05解決事例

(解決事例)破産・管財(任意整理後に返済できなくなり破産したケース)

N総合法律事務所、弁護士の首藤です。前回の解決事例に続いて、別の解決事例も掲載いたします。ご依頼者様の掲載許可はいただいております。

 

ご依頼者様は、複数回の転職を経たうえで個人事業を始めたものの、それまでに生活費のために借りたお金の返済が難しくなり、破産のご依頼をされました。

債権者は9社、債務総額は約450万円で非免責債権(租税公課など)もありました。

まず、1つ目の問題点は、破産を依頼する前に任意整理を私ではない専門職の方へ依頼していたことでした。任意整理をした後も他の債権者から借り入れをするなどして、任意整理の毎月の返済のために他社から借り入れをするという自転車操業になっていたことが問題でした。後述の破産管財人から、過去の依頼状況や返済状況を調査するよう指示を受け、完済済みの過去の債権者へまでも受任通知を追送するなどして資料を取り寄せた上で報告しました。幸い、受任通知送付後に返済をしていた業者はなく、返済金額も少額であったため、偏頗弁済行為として特段問題になることはありませんでした。

2つ目は、個人事業をしていたことでした。東京地裁の場合は、以前にも掲載しましたが、破産管財人が原則就きます。ご依頼者様は、配送業などをしており、かつ、他の事業も行い、複数の取引先があったため、給与取得者と同一視できず、原則どおり、破産管財人が就きました。当該配送業は報酬請求や報酬支払がひと月の間に頻繁にあり、破産手続開始決定時点の売掛金債権(破産財団の一要素)がいくらであるか把握するのに手間取りました。

3つ目は、非免責債権があることでした、租税公課(税金)のほかにもあり、詳細は省きますが、この点が問題になりそうでした。非免責債権の債権者に受任通知を送るなどしましたが、債権届出期間内に債権者から債権申告もなかったため、こちらも問題にはなりませんでした。

4つ目は、破産依頼前にギャンブルをしていたのみならず、破産依頼後にもギャンブルをしていたことが発覚したことです。免責不許可事由にあたりました。この点は、今後一切やらないという誓約書にサインしてもらい資料として提出しました。破産依頼後に費やした金額がかなり少額であったため、破産管財人から特段追及されることはありませんでした。ですが、依頼前には百数十万円費やしていたので、もっと追及があってもおかしくありませんでした。

5つ目は、クレジットカードで購入した物品20万円相当を換金して現金化していたことでした。この点も、換金率が8割と比較的高かったため、不利益な条件での処分ではないと管財人が判断されたのか、特段問題にはなりませんでした。

配達業との関係上、配達業務に利用しているバイクなどを走行距離や年式などを報告して財産的価値がなく換価対象から除くべきであることを上申しました。東京地裁の場合は、自由財産拡張申立てはせず、裁判所の裁量的判断で換価しない保持を認める財産が決まります。バイクは残すことができました。破産管財人からは、免責不許可事由はあるが裁量免責が相当であるとの意見をいただき、無事免責されました。

 

一つの事件でも上記のとおり、多くの問題が生じることがあります。問題が複雑にならないうちに債務整理(任意整理・破産・再生)の依頼をされることが望ましいです。

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