解決事例

2023/03/16解決事例

(解決事例)時効援用

債務整理に関する解決事例です。

 

長期間(約10年)にわたり、ある企業へ支払をしていなかった方がご相談に来られました。

信用情報(今回はCICでした)の記載をみると、支払履歴について、「A」のアルファベットが毎月つき続けているといった状況でした。「A」は、簡単に言うと、不払いです。

そして、長期間の不払いであるため、「異動発生日」の欄にその年月日が記載されていました。支払が長期間なされていないと、消費者金融や信販会社等は、加盟する信用情報機関に対して、「この人はずっと支払いをしていません」と申告します。それを受けて信用情報機関は、「異動」、つまり、支払事故が生じたとして、異動発生日の欄に支払いを長期間していないことが判明した年月日を記載します。これがいわゆる「事故情報」、「異動」、「ブラックリスト入り」と呼ばれるものです。

この事故情報が消えないとどうなるかというと、信用情報機関に加盟している消費者金融や信販会社等は、キャッシングやクレカ審査の際に信用情報をみれるので、支払ができない人だと判断してお金を貸さない、審査を落とすというような判断をすることになります。

ご相談者様も10年近く前の不払いであったにもかかわらず、いまだに毎月「A」の記載がされ続けていたことから、お金の借入れやローンが組めずに困っていました。

とりあえず、企業へ現在の債務額を確認してみたところ、遅延損害金(ちそんきん)も含め、債務は数十万円に膨れ上がっていました。

そこで、時効に必要な期間(最終の支払いから5年)が経過していたとして、企業の債権管理部の担当者に対して時効を主張しました。企業側の検討がしばらく行われた末、時効を認めるとの返答をいただけました。上記の数十万円の債務が0円になったということです。あわせて、信用情報内の事故情報を訂正する申告をするように企業側へ求めておきました。

今回は、企業側が法的措置(訴訟や支払督促)をとっていなかったため、時効の主張が認められました。もっとも、通常は、企業側も何らかの措置を採るので、たいてい時効が完成猶予されていて、判決のコピーなどが郵送されてきて時効の主張ができないことがわかったりします。その場合は、分割払いの交渉、すなわち任意整理の手続に移行することになります。

不払いの状況を放置しておくと、遅延損害金が膨らみ、任意整理ではなく、破産を選択するしかなくなることもあります。そのようなケースも現在扱っているので、解決事例として近いうちに記載できればと思います。

 

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