解決事例

2023/01/11解決事例

(解決事例)相続放棄

相続分野のご依頼をお受けすることもあるため、解決事例として記載することにしました。

親族の方が突然お亡くなりになったため、相続人の一人からご依頼を受け、相続放棄手続を行いました。

裁判所に提出すべき相続放棄に必要な書類は、今回の場合、①被相続人(お亡くなりになった方)の住民票の除票、②放棄申述者の戸籍謄本、③被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍)謄本、④被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍、改正原戸籍)謄本でした。他にも、相続放棄申述書や収入印紙などを作成・添付しました。

相続人の方は、被相続人に負の遺産がどの程度あるかわからなかったため、相続により自身が予期せぬ不利益を受けるのではないかと心配されておられました。そこで、現状把握できている負債を概算して裁判所に申告しました。

特段、放棄に支障が生じるような事情がなかったため、裁判所から「相続放棄申述受理通知書」が送られてきました。相続放棄の申述がきちんとできましたという内容が書かれた通知で、これにより放棄の手続自体は完了しました。もっとも、仮に被相続人の隠れた債権者が相続人に後日請求してきた場合、すでに放棄済みであることを理由に請求を拒むことができるよう、「相続放棄申述受理証明書」を裁判所に申請し、交付を受けました。この証明書を債権者に提示することにより、相続人は、自身が債務を相続していないと反論して支払いを拒むことができます。

相続放棄は、「相続開始を知った時から3か月」を過ぎると原則として放棄できなくなります。放棄期間を延ばす申請をすることも可能ですが、できれば3か月以内に行うことが望ましいです。また、例外として、3か月以内に放棄できなかったやむを得ない事情があれば、経過後も放棄できる場合がありますが、やむを得ない事情があるかは、裁判官の判断になります。不確実さがあるため、やはり、3か月以内の放棄をお勧めします。

なお、放棄する前に被相続人の財産に手を付けてしまうと、相続を承認したと扱われ、放棄できなくなることもあります。その点も十分お気を付けください。

 

 

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