2025/12/17解決事例
(解決事例)破産・管財(浪費と連帯保証)
N総合法律事務所、弁護士の首藤です。今回も一つ事件が終了したため、ご依頼者の了承の下、大まかな内容を掲載いたします。
ご依頼者様は、学生時代、友人との付き合いで飲食費を含む交際費で毎月3~5万円の支出をしていました。学生ですから収入も大きくなく、アルバイト代では足りず、消費者金融などから借り入れを定期的に行っていました。知人の結婚式への出席なども重なり、返済は次第に困難になっていきました。社会人になった後も完済しきれず、借りては返しの繰り返しの状況にありました。
そんな中、母親がお亡くなりになり、ご依頼者のための学費や生活費として借り入れをしていた母子父子福祉資金の返済を求められてしまいました。なぜかというと、直接借り入れをしていたのは母親でしたが、ご依頼者様は連帯保証人になっていたからです。自身の借金と連帯保証債務の支払いを求められ、どうにもならなくなり破産をご依頼されました。他にも、換金率は8~9割と高かったものの、携帯電話を後払いサービスで購入し、売却して現金化するなどの換金行為も行っていました。
社会福祉協議会の緊急小口資金や総合支援資金、母子父子福祉資金は貸付という形をとっており、税金とは異なり破産による免責の対象になります。そのため、今後のことも考え、リスタートを図るために破産を選択しました。
破産管財人が就きましたが、かなり優しい管財人の方で、ご依頼者様が緊張している様子を気遣って丁寧な聴取をしていただきました。免責に関しても浪費その他免責不許可事由に該当しないという意見をいただき、免責許可の決定を裁判所から受けました。ここは意見が分かれるところではあると思いますが、類似のケースでは浪費や換金行為があり、免責不許可事由はあるけれども、裁量により免責してほしいという意見を裁判所に出す管財人の先生もいるので、今回だけの例外的な判断であるとご依頼者様には説明しました。ご依頼者様もその点に関し、私と認識を共通にしていました。
令和7年は、消費者金融の利益が大きくなっているという報道がある一方で債務整理の依頼が増えているという統計データも上がっています。債務整理事件に関して私にできることは、一つ一つの依頼、事件を丁寧に対応し、元の平穏な生活が送れるよう手助けすることです。必要とされる限りは頑張って参ります。
今回は元々の借り入れと相続を起因とした保証債務が大きくなり破産に至ったケースのご紹介でした。


